保険のⅠ級コンポジットレジン充填

今日の症例は、保険のコンポジットレジン充填(CR)です。

 

当クリニックでは、ミニマルインターベンション(MI)な治療を第一選択にしていますので、
このような新しくできた虫歯に対しては、レジン充填を第一選択にしています。

レジン充填はむし歯以外の不必要な部分の削除をなるべく減らせるというメリットのほかに、
パラジウムインレー(型取りをして入れる保険の銀の詰め物)に比べて
接着性が良いという点や、1回で治療が終わる点
そしてなによりも白いというメリットがあります。

やはり綺麗な白い歯になるというのは、歯医者としても気持ちがいいものです。

ただ、コンポジットレジンは耐摩耗性や強度などがパラジウムインレーよりも劣るので、
どのようなケースでも可能というわけではありません。

今回は奥歯の溝の部分にできたむし歯を治療しました。

むし歯をむし歯の検知液を用いながら丁寧に取り除いた状態です。
防湿は簡易防湿です。
さすがに保険治療でラバーダムは行いません。

エナメル質のみ燐酸でエッチングし、ボンディングしたあと、
保険のコンポジットレジンを充填したのが下の写真です。

レジンは固まるときに収縮するので、
その量や方向を見極めながら、何回かにわけて充填と光硬化を繰り返していきます。

ここをていねいに行わないと、歯とレジンのあいだに隙間ができて、
境目に茶色い線が入ったように変色して将来見栄えが悪くなるうえに、
そこからむし歯になる心配があります。

保険のレジン充填ではみなさん急いでいるのか、良くそういったものを見かけますが、
ひと手間かけると保険のものでもそういったことを防ぐことができます。

 

丁寧に治療したレジン充填は、みなさんが思っているよりもずっと長持ちします。
下の写真は、詰めてから1年後の写真です。


最初の状態よりも磨耗した部分もありますが、
変色や境目の変色、破折等もなく、必要十分な状態が保たれていると思います。

下の写真は、さらに2年たった、3年後の写真です。

また少し磨耗し、ほんのちょっとだけ茶色い線が見えているところがありますが、
経過としては問題ないと思います。

よくレジンは耐久性が…という先生がいらっしゃいます。確かにそうなんですが、
メリット、デメリット双方考えると、私はレジンでできるものはレジンで行っています。

理由としては、私が大学生の頃に6年生の先輩の臨床実習で、
これと同じようなレジン充填をしてもらったのですが、
少し磨耗はしていますが、25年たったいまなお、
まったく問題なく使えているという経験があるからです。

臨床実習でていねいにしっかりと治療してもらったおかげで、
レジンでも長持ちしているのだと思いますので、
私もそれを目指して治療を行っています。

 

東京都 杉並区 阿佐ヶ谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

 

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