審美歯科(1本だけのかぶせ物をまわりに調和させる治療)

こんばんは。クレア歯科クリニック、院長の平岡です。
久々に日々の症例をアップしたいと思います。

本日は「審美歯科」がテーマです。
審美歯科と言うと、多くの方が白いきれいな歯を入れるイメージだと思います。
もちろんそれが目的の方もおおくいらっしゃるいます。

前歯8本や10本をを同時にかぶせ物にするような、芸能人の方やモデルさんなどが行う審美歯科は、実際のところ「色に関しての難易度」はあまり高くありません。すべて同じ、その人が希望する好みのきれいな色に作ればいいだけです。

しかし、歯を一本だけかぶせるような場合、周りの歯の色と調和していない、まわりよりきれいで白い歯を入れてしまうと、「あ、かぶせものが入ってるんだな」と周りの方に気づかれてしまう可能性が高いかと思います。なのでこういう場合は周りの歯と色を合わせて、より目立たなくして欲しいというご希望の方が多くなります。

そういったときに周りの歯になるべく近い色で入れるというのは、色に関して言えば上記よりはるかに難易度の高い治療となります。

なので、我々が見てもあまり色があってないなという治療は多く、自費でセラミックのかぶせ物を入れてもらったけど、なんかそこだけ色目が違って気になっている方は多いのではないでしょうか。そんなものなので仕方ないとお思いの方も多いかもしれませんが、もっと手間暇をかければより違和感の少ない色に仕上げることが可能なことが多いです。

ではここからは当院ではどのようにセラミック治療の色を合わせていくのかをご紹介します。

下の写真は治療前、かなり白い、しかも隙間のある自費のかぶせ物が入っていた状態です。このように白く浮いてしまっていては、いくらそれ自身の色がきれいでも、作り物ですとアピールしているようなものです。

また、歯茎のラインも左右でかなり違っていたり、歯の形態も全く左右で異なっていたり、境目が見えていたり… 様々な審美的な問題があります。

(隙間の説明のために写したので全体像がわかりにくくすみません)

ご本人も気になっていたようですが、歯は色見本のような白いものしか作ることができないとお思いだったようで、周りの歯と同じように作るのと、今みたいに白く作るのどちらが良いですか?と伺ったところ、そんなことできるんですか?と逆質問を受けました。できれば目立たないようにという事で、フルカスタマイズでセラミックの作成を行います。

色見本にある範囲の色ではなかったので、まずは歯の写真を撮影し、最終段階一歩手前まで作成してもらい、お口の中に合わせてみました。

(このような治療に必要な写真の場合は、説明用のペンカメラでは画質が不十分なので、一眼レフとストロボを使用して写真を撮影します。)

これでも最初のものに比べたら悪くはないですが、少し明度と彩度が違っているのと、もう少しキャラクタライズして本物に似せるべく、作成途中のセラミックをいったん入れてお口の中で再度写真撮影します。そしてもう一回これを預かって技工士さんに写真とともに送ります。ここからは当院と契約している技工士の腕の見せ所です。

下の写真は最終的なものが入って、歯ぐき等もなじんだところです。

色調と明度を若干変更し、少しオレンジ~ブラウン系のステインを入れたり切端の透明感を少し上げたり、より周りの歯に近くなりました。歯茎の形も左右でバランスがとれて、隙間や境目も見えず、しっかりとなじんでいます。ご本人はここまでできるとは思っていなかったようで、かなりびっくりしたと同時にとても気に入っていただけました。

東京都 杉並区 阿佐谷北 クレア歯科クリニック

院長 平岡 達

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